脚光を浴びる青魚のDHA
肉食の普及などで、一時期は劣勢に立たされていたものの、青魚が最近リバイバルで見直されている状況になっています。
その理由の1つに、dhaなどの成分が、頭スッキリや認知症との関係などで脚光を浴びたことにあります。
ことの発端は、北極圏の先住民エスキモーを対象にした研究です。
当地の伝統的な食生活では、野菜摂取がほぼ0で、アザラシなどの海獣(青魚を食べる)を常食していました(最近では様子が違っているようですが)。
にもかかわらず、住民を調査すると、肥満や心臓病などが皆無。研究の結果、青魚、それを捕食する海獣に多く含まれる、dhaなどの不飽和脂肪酸がカギを握っていることが明らかになったのです。
今では、dhaなどの不飽和脂肪酸は、血行を良くし、中性脂肪や血中コレステロールを減少させ、動脈硬化や心臓病のリスクを減らし、他にも、視力の改善、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の改善などの働きも明らかになっています。
青魚のDHAはEPAとセット?
青魚は、ビタミンB群なども豊富で、相乗効果により一連の働きを高めてくれます。
同じ不飽和脂肪酸でも、dhaはepaとセットで扱われることが多いのですが、前者は脳の健康に関係し、後者は血管の健康維持に関係している点で、それぞれ特徴があります。
ただ、どちらも脂質異常症を改善し、生活習慣病を予防する成分という点では共通しています。
具体的に、1日にどれだけ食べればよいかというと、厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』には、18歳以上はepa及びdhaを1日1g以上摂取するのが望ましいとの旨が記載されています。
青魚では100gに相当し、1日に1回、サバ1切れ、アジ1身など、飽きずに毎日摂ることで、魚パワーは本領を発揮してくれます。